2017 / 04
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やっと見つけた・・・・
生まれてこのかた何年も、俺はずっと彼女を探していたのかもしれない。
俺の生まれや育った環境を考えれば女性などすぐに手に入る。

だが・・・・・
俺は、俺は、この国で、この土地で・・・・やっと、やっと・・・見つけた。



いつも乗る電車、いつもの時間、いつものドアに彼女は乗ってくる。
友達と一緒の時もそうでないときも・・・いつもあの場所に立つ。
俺の立ち位置から窓一つ分程離れたところに。

今日の彼女は笑っている・・・・そう思うと俺は嬉しかった。
今日の彼女は俯いている・・・・その姿を見ているだけで俺の気持ちも沈みそうになる。
今日の彼女は・・・・・
何故、何故、泣きそうな面持ちなのか!?・・・・・そう思ったら俺の胸が締め付けられるように痛み始めた。

いつも、いつも、あの場所で笑っていて欲しい。そう願った瞬間に俺は恋に落ちたんだ。


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俺の生まれた環境・・・・・
世間一般的に言えばセレブリィティな奴等が集まっている。
そんな中で代々続いている事業を当然俺も継いで行くと思っていた。
そのために大学で経営学を学び、そして彼女のいるこの国の大学院へも留学した。

俺のバックグランドをも含んで近づいてくる奴らにそれなりに接していたが、
どこか冷めた気持ちでいた。

だが真の友人・・・・一人はいる。
子どもの頃から一緒に育ったと言っても過言ではない奴。
アイツには人生を共に歩んで生きたいと思う女性を既に見つけている。
アイツにいて俺にはいない・・・そういう羨ましい気持ちもあったりして俺は、
俺の周りに纏わり付いてくる奴について・・・・・・・
特に女性に関してはテキトーにあしらっていた。

アイツがよく言っていたな・・・・・
「どこに運命の女性と出会えるかわからない。
例え鼻に付く女性だったとしてももしかしたら?
と思うかもしれないぞ。心で人を見るべきだ」と・・・。
当時の俺には『心の目』なるものは閉じていたのだろうか。
否、開いて見て必死に探していたと思う。
しかし・・・・・・
心が震えるくらいの運命の女性には出会えていなかった。


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大学に入るまで、また入ってからもテキトーに付き合った女性はいた。
俺を何かの戦利品みたいに見せびらかすために、また自分の変なプライドのために
【俺】というブランドを身に纏いたくて仕方がない女性が何人も…。
だから俺は奴らに対して心を開いたこともなければ、好きになろうと努力をしようともしなかった。
どこかいつも冷めた気持ちで付き合っていたのかもしれない。


家のために、親のために、勉強のために、
なんとなく…な気持ちで留学までして。
正直言って、いつも俺の心は空しさを抱えていた。

この国では珍しい容姿や特殊な肩書きも手伝って、
皆好奇な目で俺に近づいてきて面白可笑しく過ごそうと誘ってきたが。


・・・・・・俺の心の目には全てがモノクロ映像にしか映らなかったんだ。


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この国で勉学に勤しむことは、俺の育った環境から考えればもの凄く開放的だった。
知らない国で、異文化に触れ、今までいかに狭い世界しか見ていなかったか思い知らされる。
それと同時に俺にとって良い刺激となっていった。

最初の頃、電車から見る風景や乗客を眺めたりするのも面白かった。
幼い子のように半ばはしゃぎながら乗っていた。
コレに関しては、常に監視している奴にチェックされたのは覚えている。
そんな毎日にも慣れて、ふとした時に彼女と出会ったんだ。

いつもの電車、いつもの風景・・・・
彼女を見つけるまでは、代わり映えのないいつもの朝だった。


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 「えぇーーっ!それって本当のこと?」
と、1人の女性の高い声が聞こえたので、そちらの方向へ目を向けた。
この電車の沿線にある私立の女子高校の生徒らしい。
3人ほど女子生徒が乗車して来た。
その中で頷きながら微笑んでいる女性が・・・・・・彼女だった。


一瞬、そこだけ野の花が一面咲き乱れたかのような
控えめだが、華やかになった印象を受けた。
俺の鼓動は一瞬にして体全体で鳴っているかのような錯覚に陥った。




そして俺は・・・・
俺は、彼女から目が離せなくなったんだ。



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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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