2009 / 05
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「凪子、喋りすぎ」
「うん・・・・」
「泣いているの?」
「・・・・・・」
「俺は・・・凪子が離れていくのを寂しくて仕方がない」
「一路・・・・ごめんね」
「謝らないで、凪子が選んだことだから応援はするよ
でも、俺の気持ちとしては・・・ということだから」
「うん、わかってる、私もね・・・本当はここから離れたくないの
ここから大学に通いたいの、でもね・・・・」
「わかっているよ、通いきれないことぐらい
それに遊ぶために大学に行くんじゃないだろうから、忙しくなるだろう?」
「う・・・・ん」

私は一路に手を握られたままポツポツと話した。
彼もそれに答えるように優しい声色でゆっくり語りかけるように話してくれた。

「何も・・・言わなくていいから」
「だって、一路・・・」
「わかっているから、今はこのままで・・・」
「うん・・・一路ぉ・・・」

自分の肩に私の頭を凭れかけさせて
4歳年下とは思えないくらい大きな手のひらで
頭を抱えるように優しく撫で続けてくれた。
彼の包み込むような包容さに今は気持ちと共に委ねるだけにした。

「留学した時みたいに今回も見送らないから」
「う・・・ん、わかった・・・・」
「きっと引き止めてしまって、この年で駄々をこねそうになるから」
「わかるよ・・・私も多分、一路の顔を見ていられないし・・・」
「だから、今はこのまま、凪子の温かさを覚えておきたいから」
「一路・・・私も」

私がふと一路の顔を見上げたのを合図に彼の長い指先でそっと顎を優しく捉えられた。
お互いジッと見つめたまま・・・。
彼の瞳の中に私が映っている・・・そして私の潤んだ瞳の中にもきっと彼が映っているはず。
再び溢れてしまった涙を彼の唇で拭ってくれた。
目じりから頬にかけて、口元へと優しいキスをしてくれた。
そしてもう一度お互い見つめ合い、どちらからともなく唇を寄せ合い
少し熱を帯びた口付けを何度も交わした。
お互いの温もりを決して忘れないように・・・と。
やがて一路の熱い口付けは私の首筋から鎖骨まで徐々に移動し始めた。
私は初めての感覚に少しの衝撃を感じたが、
彼の柔らかな唇の感触を感じていたくて
彼の首にしがみ付くように両手を回した。

「な・・・ぎ・・・こ・・・・」
「い・・・ち・・・・」

これ以上はきっとダメだとお互いが感じている。
それだからこそ離れられない。
何度も首筋に彼のキスを受けていた私の方が我慢できなくなってしまった。
しがみ付いていた手をそのまま一路の両頬に添えて
自分の想いを託すように、彼に注ぐように今まで一番熱い口付けをした。
心も身体も震えるくらいの・・・口付けだった。

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合格発表から卒業式、謝恩会と・・・慌しく毎日が過ぎ去っていった。
一緒に大学に付き添ってもらった日以外は
一路とはまともに話すことが出来なかった。
隣県の祖父母宅へ身の周りの物を持って行くため
毎日少しずつ荷物を段ボールに詰める作業をした。

風花との大喧嘩後、些細な喧嘩すらしなかった。
妹も私を避けているところがあった。
それまでは何かと一路に関して牽制をしてきた。
しかし、そんな素振りも見せず私が忙しくしていても
手伝おうともせず静観しているだけだった。

私は今まで隣に一路が住んでいることが当たり前になっていた
でも2日後からはそうではなくなる。
そして4月からは、彼は高等部に私は隣県の大学へ。
そのことが徐々に心に圧し掛かってきた。
荷造り中もふとそんな想いが頭を過ると言い知れぬ不安と焦燥感が襲ってきて
何も手に付かなくなってしまった。

私がここに住まなくなって彼は寂しいと思ってくれるだろうか?
妹が言うように私がいなくなれば憧れ的な存在の私より
同年代の女の子のほうが気が合うと思うのだろうか?
私だけが彼と離れてしまうことによってとても寂しいと思っているのだろうか?
そんなことを思いながら気が付けば自室から出て
最近買ってもらった携帯電話だけを握り締めて玄関を出ていた。

彼の部屋の電気は点いていたので衝動的に窓を叩いた。
他の家族はいないとのことですぐに私は玄関から静かに一路宅にお邪魔した。
玄関からすぐの彼の部屋の扉は開けっ放しで
一路はベッドに横になっていたが、
すぐに起き上がり右手を前に出して部屋に招きいれてくれた。

彼の顔を見た途端、自分の想いが涙となって溢れ出そうになった。
この時、彼に対する気持ちがわかった。
私は・・・一路が好き。
誰にも取られたくない、妹にも・・・・だ。

彼の横に座り、年上なのに子どもじみたこんな想いを悟られないように
私は努めて明るい表情で喋った。
一路に返答する隙を与えないほどに。
寂しい気持ちが言葉の端々に滲み出ないためにはそうするしかなかったからだ。

一路が自分の名前を強く呼び私の止まらないお喋りを強制終了させた。
彼の声を聞いた途端、私の想いは涙と共に溢れてしまった。
手の中にある携帯電話を俯きながら見つめていると
彼の大きな手が私の手を包み込むように優しく握ってきた。
そして彼の心の温もりを感じた。

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凪子は大学受験に合格した。
いよいよ2日後には実家から祖父母宅に身の周りの物を運び出すこととなった。
大きな家具はそのままではあったが、
愛用している細々とした物を連日段ボールに詰めているようだった。

俺の部屋からは直接凪子の部屋の様子など聞こえてこないが
きっとこの時間は荷造りの最中ではないか・・・?と自分でも驚くほどに
心の耳を研ぎ澄ませて感じるようになっていた。
そんな時は何も手が付かないほどだった。

凪子が夢を叶えるために選択した大学はここからは少し遠い。
この家に移り住んでからいつも隣にいた凪子と離れてしまうことに
今更ながら苦しさを感じていた。
出来ることなら、自分も凪子の傍に行きたいほどだった。
そんなことを考えているところに共通廊下に面した窓を「コツン!」と叩く音がした。

「一路、今、話せる?」
「凪子・・・か?」
「うん、ウチに来ても良いけれど、妹と母親がいるし・・・」
「じゃぁ、俺ん家来いよ、お袋もばーちゃん達いないし」
「うん、そうする」

そう言って玄関を静かに開ける音がして小さな声で「お邪魔します」と言う声がした。
凪子は俺の部屋の入り口に立ったまま、
優しくてでもどこか寂しげな眼差しで見つめていた。
俺はベッドに横になったままでいたが、凪子を目に捉えてすぐに起き上がり
ベッドに腰掛けるようにした。
そして無意識に手を伸ばし、凪子を部屋に招き入れた。
自分の横に静かに座った凪子の手には真新しいベビーブルーの携帯電話が握られていた。

「荷物はおおかた詰め終わったのか?」
「うん、大体ね。でも辞書とか・・・本とか・・・着替えとか、そんな物ばかりだから」
「家具はそのままなんだろう?」
「そうなの、おじいちゃんの家にもお父さんが使った古い勉強机とかもあるみたいだし
ベッドもゲストルームから移動するために今日はお父さんがあっちに行っているの」
「そうなんだ」

一言二言、言葉を交わした途端お互い沈黙してしまった。
しかしパッと顔を上に上げた凪子1人喋り始めた。

「そうだ、一路も4月で高等部だね、クラス替えもあるし・・・
担任は誰だろう・・・?委員会もそのまま続けるの?
高等部の教室はリフォームしたばかりだから、結構綺麗なんだよ!」
「凪子!」
「そうそう!妹のことも・・・相変わらずあんな感じだけれどよろしくね」
「おいっ!」
「あの渡り廊下でもう会うこともないんだね・・・」
「な・ぎ・こっ!!!」
「・・・・・・」
「1人でそんなに機関銃みたいに喋くるなよな」
「だって・・・・」

俺に喋らせないかのように1人いつも以上に賑やかに喋っていた凪子は
急に口を閉ざしてしまった。
そして携帯電話を握り締めながら俯いてしまった。
彼女の手を包み込むようにそっと手を握った。
しかしどんな表情をしているのか、髪の毛が邪魔をして伺えない。
それでも彼女が涙ぐみ始めたことがわかった。
「シュンッ」と鼻をすすり上げ、身体が小刻みに震え始めたからだ。

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第一志望の大学の試験が終わってから
やっと自分がどこで何をしている実感が掴めて来た。
それまでが無意識に生活してきたわけではないが、
去年、高2の時のクラスメートの松原君に外部の大学受験を宣言してから
脇目も振らず、ただただこの日のために邁進してきた。

そんな生活の中で隣に住む一路は私の気持ちを支えてくれた。
放課後、渡り廊下で偶然会って手をそっと繋いでくれた。

「もう帰るの?」
「いや・・・これから図書館に寄ってから帰る」
「そうなの?」
「うん、凪子は?」
「私はこのまま真っ直ぐ帰ろうかな・・・」
「凪子、疲れているね・・・ちゃんと睡眠とっている?」
「うん、大丈夫、ありがとうね」
「あと少しだから・・・」
「一路が・・・いてくれて良かった」

今までは普通に手を繋いでいたが、いよいよ受験本番となる頃は
所謂『恋人繋ぎ』をしてくれた。
誰もいない渡り廊下で2人、
陽が傾きかけた夕焼け色に染まりつつ校庭を眺めていた。

繋いだ手から伝わる温もりだけでも、
何も言わなくても一路は私を励ましてくれる。
逃げ出してしまいそうになる現実から、
挫けそうになる弱い心を奮い立たせてくれた。

妹との関係を心配し両親は
受験時期に入ってすぐ私を祖父母宅へ預けた。
だから一路と会えるのは校内だけ。
尚更私は、こうして彼に会える事を嬉しく感じ、
そのひと時を大切に思えた。


一路自身を私にとって『受験のお守り』のように思っていたのかもしれない。
彼の手の温もりを感じるだけで『無理かも・・・』と
躊躇する偏差値の大学への挑戦も出来たから。

だからこうして合格発表も母親の同伴を退けて彼に付いて来て貰った。
それでも受験日から発表までの数日間は落ち着きがなかった。
久しく妹と派手な喧嘩もしていなかったが些細なことで
双方泣くほどの大喧嘩をした。
それほど神経が逆立っていたのだろう。

「凪子、一昨日の夜、風花と喧嘩した?」
「えっ!?なんで知ってるの?」

最寄り駅から電車に乗り入り口と反対側の扉近くに立った途端こう聞かれた。

「そりゃぁ、隣近所、驚くほどの怒号だったから・・・」
「あ~~~聞こえた?」
「隣だもん、聞こえるよ」
「う~~~~」
「ウチの2件隣の犬もワンワン吠えていたし」
「そうなの!?それは気が付かなかったわ・・・」
「それでどうしたんだよ?」
「大した事ないのよ・・・今までお互い鬱積していたからね
それが『ドッカン!』って爆発したって言うか・・・そんな感じ」
「ふ~~ん、そうか」

きっかけは些細な一言だった。
風花が地雷をご丁寧に踏んでくれた。
いや、そうじゃなくて・・・。
バズーカ砲で鬱積したいたものをぶっ放してくれたんだと思う。
決して体調が万全でない妹が私が受験生ということもあって
両親から色々諌められていたらしく・・・
今まで自宅での生活では自由にしていた妹にとってかなりの試練だったらしい。
「こういうことも必要だ」と両親が急に厳しくなったからだろうか。
姉として、申し訳ない気持ちになったのは言うまでもない。

「お姉ちゃん、第一志望受かったらこの家から出て行くんでしょ?」
「隣の県だけど、ここからだと遠いからおじいちゃん家から通うと思うわ」
「じゃぁ、やっぱり、受かってもらわなくちゃね!
あたしにとってお姉ちゃんは目の上のタンコブみたいな存在だし
これで心置きなく一路と付き合えるもん!」
「何よそれ?」

数年ぶりの派手な姉妹喧嘩の火蓋は切って落とされた。
まさか、隣近所に筒抜けだとは思わなかったが・・・。
ご近所の犬をも動揺させているとは。
改めてそのときの様子を第三者の立場から聞いて赤面してしまった。

Page.217

松原先輩の前で宣言した秋から凪子は外部の大学を受験するため猛勉強をした。
脇目も振らず、ただただ自分の夢を叶えるべく志望校に入るために・・・。
お隣さん同士といえど、俺との会う時間も必然的に少なくなっていった。
それでも俺達の気持ちは繋がっていた。
言葉を交わさずともアイコンタクトででも気持ちは繋がっていたから・・・。


桜前線の情報が聞かれる頃・・・。
凪子は一念発起して見事志望大学の合格を獲得した。
合格発表には何故か俺を連れて行った。

「一路・・・これで落ちていたら・・・県内の私立大だよ」
「平気だよ!これまで凪子はがむしゃらに頑張ってきたじゃん!」
「でも、試験に合格しなくちゃ入れないんだよ?」
「大丈夫だって!俺と遊ぶのも殆どしないで頑張ってきたし」
「それもそうなんだけれど・・・でも・・・」

凪子の声が段々と小さくなり、彼女の手を繋ごうとした。
手のひらはいつもと違いひんやりとしていた。

「冷てぇ・・・」
「あっはははぁ・・・なんかもう家を出るときからこんな感じ」
「緊張してるの?」
「うん・・・緊張してる」
「いっつも堂々としている凪子さんなのにね~」
「何それ?凪子さんって・・・私だって緊張するよ」
「ハイハイ、そうですね」

俺は繋いでいた手を改めて力を込めて半ば強引に引っ張るように早歩きになった。
背の低い凪子にとっては小走りにになっていたが・・・。

「一路ぉ、痛いよ」
「結果、早く知りたくないのかよ?」
「知りたいよ!でも・・・合格していたら
家から通いきれないから、一路からも離れちゃうんだよ・・・」
「でも、凪子が夢を叶えるためだろう?」
「そうだけれど・・・」
「とにかく行くぞ!!」

俺はきっと離れ離れになってしまうことを確信し、
それによって自分の気持ちが言い知れぬ焦燥感が襲ってくるのを
打ち消すように凪子の手を強く握り更に歩みを速めた。
ほんの数分で前方に彼女が第一志望として受験した大学の正門が見えた。

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「もうっ!いい加減にしてっ!
私はもう松原君とは関係ないから!
それに大学だって松原君のいるところを希望しないかもしれないしっ!」
「声が大きいよ・・・」
「構わないなよっ!」
「とにかく、座ってくれよ・・・
ごめん、俺、自分ばっかり喋っていた・・・」

松原君に怒りの眼差しを向けたまま私は倒れた椅子を元に戻し静かに座った。
そして目の前にあったアイスティを一気に飲み干した。

「それに・・・私、好きな人がいるの」
「あぁ、知っているよ」
「知っているならどうして?」
「諦めないって言っただろう?それに俺に先に告白しておいたのに・・・?
もう俺はお払い箱なのかよ」
「お払い箱って、そんな言い方しないでよ、私は本当に自分が好きな人を見つけたの」
「アイツ・・・後輩の如月だろう?年下じゃないか!?
あんなお子ちゃまに君を渡さないよ」
「一路は・・・彼は、私の事を好きと言ってくれているわ!」
「それこそ幻想だよ!子どもの恋愛になんか付き合っていられねぇよっ!」

彼の心ない言葉に酷く傷ついて私は俯いてしまった。
ここにはいない一路に対して小ばかにしたように嘲笑う松原君に嫌悪した。


「子どもで悪かったなっ!!」

私の頭上から静かだが怒りの熱を帯びた声が聞こえた。
その声に驚きパッと顔を上げた。
松原君の前に背の高い一路が立っていた。

「凪子、1時間経った、帰るぞ!」
「待てっ!箕面、話は終わっていない、俺は・・・
大学で待っているから・・・いや、ここで付き合う宣言しても良いから!」
「私の気持ちは松原君には無いの、だから・・・もうこんなことしないで!」
「松原先輩、凪子が困っている・・・もう止めてください」
「うるさい!子どもは引っ込んでろっ!」
「松原君!一路を悪く言わないでっ!
あなたがその大学にいるのなら・・・もう内部生として受験しないわ」
「なんだと?それってどういうことだ?」
「松原君のいる大学には行きたくないって事よ!一路、行こう!!」

2人の前であっさりと違う大学の受験を宣言して、
小銭入れからアイスティ代をテーブルに叩き付けるように置き
一路の手を引っ張りながらファミレスから出た。
涼しい風が吹いていて興奮して火照っていた身体が徐々に冷めていくのがわかった。
一路と私は手を繋いだまま、いつかの公園まで来ていた。
春には見事な藤の花を咲かせるあずまやのベンチに2人腰掛けた。

「一路、きっかり1時間後だった?」
「いや、時計見てないからわからない、でもアイツの身勝手な話を聞いていて
はらわたが煮えくり返ったよ」
「どこから聞いていたの?」
「全部」
「えっ!?全部って・・・?」
「うん、全部」

しれっと答える一路の顔を穴が開くほど見つめて
「プッ!」と噴出して私はおなかを抱えて笑った。
私を送った後、自宅に帰らずそのまま遅れて店内に入り、
そして着席して目の高さより少々高い衝立の向こう側にいたそうだ。

「一路には参ったわ」
「そうか?だって心配だったんだ・・・
俺が凪子のこと好きなこと、放送部の先輩がアイツに言ったらしいんだ」
「そう、それで松原君は一路とのこと知っていたのね」
「でも、アイツの言うとおり俺、お子ちゃまで頼りないかな?
凪子に対して憧れだけの『好き』の範囲に止まらないから・・・俺の気持ちは」
「一路は・・・確かに4歳も年下だけれど、少なくとも松原君よりも
精神年齢は上だよ。それに・・・何度も私は一路に助けられているし
これかからも頼りにしているんだよ!」
「松原先輩よりって・・・なんか褒められているみたいだけれど
なんか嬉しくないような・・・」
「うふふふっ、一応褒めているのよ!?」

一路の手をもう1度握り締めてその上から片方の手をそっと添えた。
「ありがとう、一路を好きなって良かった」と呟き
そのまま彼の手の甲を自分の唇に付けた。

「松原先輩にも宣言したから俺達、正真正銘の恋人同士かな?」
「それは・・・どうかな?」
「えっ!?そうなのかよ?」
「好きだけれど・・・私の中でもまだまだ払拭されない部分があってね」
「風花のこと?」
「うん、特に姉妹だけに、正々堂々と出来ないというか、
今までの遠慮もあったりしてね・・・」
「そっか・・・俺ももっと強い男になって凪子を守れるようにならなくちゃな!」
「頼りにしているよ~~」
「ま、任せろっ!」
「動揺しているよ?」
「ウルサイッ!!」


夕焼けに覆われていた空が徐々に暗くなってきて
2人手を繋いだまま帰宅の途に付いた。

私達は大人に比べればまだまだ、子どもの域を脱していない。
それでも幼友達からいつか恋人に発展すると思う。
4歳という年の差は覆すことは出来ないけれど、
きっとそれ以上の関係を築くことが出来ると確信している。

口には出さなくともお互いそう思っている。
うん、きっと大丈夫だと・・・。


presented by 地球の名言

紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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