2017 / 10
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聞くに堪えないような捨て台詞をはいてアツシは立ち去った。
いまいち状況が掴み切れない私はアツシがいなくなった途端、
急激な安堵感に見舞われ手足がガクガクと震え始め
ずるずるとしゃがみ込んでしまった。


「美晴ちゃん!大丈夫!?」
すぐに飛んで来てくれたのはヒロさんで助け起そうとして手を伸ばしかけた。

「美晴に触るなっ!!」
背中を向けていたリュウさんが即座に振り向き、
ヒロさんの手を払い除けるように遮り私の手を取り
立ち上がらせてくれた。

「大丈夫?立てる?」
リュウさんの顔はどことなく引きつった感じ。
でも目はとても優しかった。

「リュウ!なんだよっ!何も払い除けることないだろう?
おいおい、俺でも嫌なのかよ?」
「っせぇなぁ、あぁ、そうだよ、嫌だよっ!悪いかよっ!!」
「おっ!開き直ったね、
フェニックスの無敵のリュウ君がこんな顔して開き直ったよ、あっはははっ・・・・」
「やめろよ!ヒロ!またお前らケンかになるぞ?」
マオさんが仲裁に入ってくれたが、
なんだかメンバーだけでじゃれ合っているようにしか見えなかった。

マネージャーの足立さんが、通用口を開けて手招きしてくれた。
「あいつらは放っといて、美晴ちゃん腕から血が出ているよ。
手当てしよう。このまま1度オフィスへ戻ろう
「あっ!置いて行かないでくださいよ―――!!
さぁ、行きましょう!美晴サン!!」
「えっ!?あっ!ハ、ハイッ!!」
半ば強引にカイ君に促されて建物の中に皆で入って行った。


7階に着いてから私は足立さんに案内された椅子に座り、
救急箱を持ってくるリュウさんを見上げた。

「消毒するよ、痛い?・・・・・よね。
この大きな絆創膏貼っておけば大丈夫だよね?」
「ここなら自分で出来ますから・・・・」
「そう?でも利き腕の方だからやりにくいかもよ?
いいよ俺がやるからジッとしていて。」
「えっと、でも・・・・」
「・・・・もう、そういうところは頑固で相変わらずだね、
美晴は・・・口は閉じていなさい!」
「ハイ・・・・(あれっ?なんかお兄ちゃんみたいな言い方だわ)」

真剣な眼差しで、でもそっと労るように切り傷の手当てをしてくれている
リュウさんの半ば伏せた顔をそんなことを思いながら少し長い茶色く染めた髪を見ていた。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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