2017 / 07
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「美晴に寄りかかっていれば、身体に彼女の声が伝わるから・・・
完全に熟睡は出来ないですよ」
そう言いながら、上体を起したが半ば身体を私に寄りかかる形だった。

「あの・・・リュウさん?大したことじゃないのですが、
どうして私の事呼び捨てで『美晴』って呼ぶんですか?
別に嫌じゃないですが・・・・なんか・・・アイドルなのに・・・・
違和感があるんです」
「そう?・・・・そっかぁ、美晴は・・・・覚えていないのかな?
まぁ、いいよ!早々にわかることだから・・・・その時を楽しみにしていてね
それより、腕は痛む?・・・・今度美晴があんな目にあったら・・・俺はっ!」

右手拳を握り締めて強い口調でリュウさんは言い放った。
私は思わず、リュウさんの拳の上に手をそっと置いた。

「リュウさんは、もうあんなことしないでください。
私が悪いんです。アツシに気を持たせるような・・・・
勘違いをさせるような態度をとったのかもしれないから。」
「美晴ちゃんは悪くないよ、
井上ってヤツは噂によればかなりナルシなところもあるらしいし。
今回のことで・・・少しは懲りたんじゃいかな?」
「ええ・・・でも・・・・」
「それより、美晴ちゃん、道路が結構混んでいるんだよね
もう少し、掛かりそうだから・・・楽にしていて良いよ」
と、足立さんがバックミラー越しに話しかけてきた。
「ありがとうございます・・・実は少し疲れが出てきたのかも・・・・」


車の程よい揺れと車内に流れるリュウさんのピアノ演奏が
心身ともに疲れている私を簡単に夢の世界に誘った。
今度は私がリュウさんに寄りかかる形となった。
厳密に言えば、窓ガラスの方に寄りかかっていた私を
リュウさんが自分に凭れるようにしたらしい。

「リュウ、このままで良いのか?
美晴ちゃんに話さなきゃいけないことがあるんじゃないのか?
ヒロとのこともちゃんとしろよ!
アイツだってお前のこと憎くて言っているんじゃないからな」
「わかっていますよ・・・・」
「わかっているならいいが・・・・」
「ヒロとのことは美晴の方がハッキリしないと・・・俺、前に進めないんです」
「あまり考えすぎるなよ・・・お前が何でも同時進行できるほど器用な人間とは思っていない
だが、お前の周辺はもう動き出しているんだからな・・・」
「はい、わかりました・・・・」


私が夢の中で素敵な想いをしている頃、
足立さんとリュウさんがそんな話をしているとは全く気がつかなかった。
それとリュウさんが、私の前髪をそっと上げこめかみに唇を寄せたことも・・・・。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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