2017 / 10
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頬を撫でられてビクッとなった私は思わず名前を呼んだ。

「隆臣お兄ちゃん・・・・」
「そういう風に呼んでくれるのか?・・・でももう『お兄ちゃん』は付けないでくれ。
俺にとって美晴は最初から『妹』ではなかったんだから・・・」
「じゃぁ『リュウさん』の方が良いの?」
「いや・・・・美晴の前では『椎名隆臣』でいたい。どんな時もいつまでも・・・・
俺は、美晴と共に生きたいと思っている。
付き合いたい・・・・いやそれだけじゃないその先も考えている」
「・・・そんなの上手くいかないよ。無理だよ・・・
私は隆臣・・・さんの所属している会社の社員だもん
それにこんなことが会社にわかったら・・・ファンにわかったら・・・・
音楽活動も・・・ううん、芸能活動も出来なくなる」
「そんなこと俺にとっては大した事じゃない。
それより『美晴の笑顔が見られない』『美晴が傷つけられる』『美晴が苦しんでる』
そう考えただけで俺の心は粉々になってしまうんだ。
美晴・・・・初めて会った時から好きだった。」
「隆臣さん・・・・私も・・・好きです・・・・でも・・・・」
「美晴・・・もう『でも』の先は聞かない、俺の傍にいてくれるんだね?」

コクンと頷いて私は、ソファに座っている彼の横に座りなおした。
昨夜足立さんの車の中で凭れかかったように私は、隆臣さんの肩に頭を凭れ掛けた。

「そういえば、どうしてフェニックスの中では『リュウ』って言われているの?」
「あぁ・・・それね、ニックネームを付ける時カイが俺の本名を【シイナリュウジン】って読んだんだよ
で、その時マオが『冷たい感じのお前にちょうど良いんじゃないか?』って」
「ふぅん・・・そうだったのね」
「そのまま『リュウ』と付けられたんだ。そのお陰でこんなに近くにいたのに・・・
美晴には気が付いてもらえなくて・・・・」

片手で目を覆い、泣き真似をする彼を見上げて私は微笑んだ。
それから私が幼い頃のアルバムを数冊持って来て、昔話で盛り上がった。


穏やかに楽しく話している時、サイドテーブルに置いてあるケータイがまた震えた。
それを手に取り私は顔をしかめた。
「誰?」
「いいの・・・」
言い終わらないうちにサブディスプレイの着信者名を見てケータイ私の手から取り上げた。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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