2017 / 07
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「おにいちゃん、ピアノとっても上手なんだね」
「美晴ちゃんだっけ?大悟先輩の妹さんだよね、何年生?」
「みはるは・・・ううん、あたしは1年生」
「美晴ちゃんは、ピアノ習っているの?さっき上手に弾いていたね」
「おにいちゃんの方がず―――っと上手だったよ。ピアノの先生みたいだった。
さっき弾いた曲はなんていう曲なの?すっごくきれいだった・・・あたし、あんな曲好き」
「・・・・あの曲は、自分で作ったんだ」
「すご~~~い!!!あんなきれいな曲作れるなんて・・・・どうしたら作れるの?」
「きれいなことや好きなことを考えて、それにあった音をつなげると曲になるんだよ」
「ふ~~ん、おにいちゃんの『好きなこと』って何?」
「それはね・・・・」
「うふふふ・・・・そうなんだ~~~じゃぁ、いつかあたしのために曲を作ってくれる?」
「うん、いいよ・・・・」
「約束だからね、隆臣おにいちゃん」


フェニックスのコンサートを収録したMDを
常に私の耳元で流していたという。
丸4日間意識不明だったが、私は徐々に覚醒していった。
最初に目に飛び込んできたのは・・・・
心配で倒れる寸前の母の青い顔と憔悴しきっている父の顔。

意識回復する直前まで見ていた夢・・・。
幼い頃、隆臣さんと出会った頃の夢。
以前車中で聞いた彼が作った曲が耳に心地好く流れ込んできて・・・。
そんなことがあったと思い出した。
「たか・・・お・・・み・・・さん・・・は?」喉から搾り出すように彼の安否を聞いた。
彼は無事でコンサートツアーを滞りなくこなしている事を確認し安堵した。


病室から最終コンサート会場が見える。
上体を起し、なるべく小さな音でフェニックスのMDを聞いている。
私の担当の看護士さんも大ファンだという。
ゴシップ誌の件もファンとして少なからずショックだったという。
その後、彼が雑誌の取材に応じあの記事は事実無根ということ。
心に決めた女性がいるということをはっきり話していた。
「そんな潔いリュウの男気に更にファンになった。その想われている女性は幸せね。
ちょっぴり妬けるけど、あのリュウが惚れた女性だから・・・きっと素敵な人よ」
と、私に面向かって・・・もちろんその女性が私だということも知らずに話していた。
照れくさかったけれど・・・嬉しかった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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