2017 / 08
≪ 2017 / 07 2017 / 09 ≫
Page.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Page.127

・・・・・額が冷たい。
誰か、濡らしたタオルでも載せてくれたのかな?
でも・・・ちょっと違うな。
そう、冷たい手のひらでずっと額を触っているような・・・感じ・・・。



今朝から体調がすぐれなかったんだよね。
起きた時からなんとなく身体が重いな~~って感じで。
それでも二学期に入って、体育祭と文化祭が立て続けにあるから・・・・
『行かなくちゃ!』と気合を入れてみたんだけれど。

「広子、今日は休んだら?顔色悪いわよ」
「ううん、大丈夫・・・だと思う。それに体育祭も近いからさ!行かなくちゃ!」
「じゃぁ、無理しないでよ」
「ハーーイ♪行ってきまーーす!」
朝食もそこそこに雄輝と待ち合わせしている2本先の角まで早歩きで行った。

「ユウキ!おはよう!!」
「おうっ!おはよう。・・・あれっ?北山、顔色悪いぞ?」
「そう?大丈夫だよ・・・今朝母親にも言われたんだけれど
今頃夏バテかな~~?でも、朝食も食べてきたし、
体育祭近いから休んでいらんないじゃん!」
「おいっ!無理すんなって!・・・っていうか心配させるなよ」
「は~~い♪」
「真剣に聞いているのか?・・・ったく、北山は・・・・」
「なになに??ハッキリ言ってよ~~」
口ごもりながら雄輝はあたしの学生かばんをひったくるように奪い取った。

あたしの体調を考慮して心配してくれるのは嬉しいのだけれど・・・・
あの怪我したとき以来・・・雄輝の告白以来、凄く過保護かも。
あたしは年子で弟が1人いるけど、こんなに過保護な環境で育っていないから
さすがに当初は驚いたし、また怪我も完治していなかったらそうなのかな~~?
と思っていたけれど・・・その過保護ぶりは未だ衰えず・・・。
むしろ日増しに増徴しているような気がする。


雄輝は校門近くで愛ちゃんや他のクラスメートを見かけた途端
何も言わず、押し付けるようにあたしにかばんを返した。
校門に吸い込まれていく学生の登校の波からちょっと外れて
雄輝があたしを生垣の窪んだところへ引っ張っていった。

「夏バテ程度の顔色の悪さじゃないよ」
「大丈夫だよ!本人が大丈夫って言っているんだもん、大丈夫なの!!」
「ダメだ!今日はこのまま回れ右して帰れ!!」
「平気だもん!それにユウキは過保護すぎるよ~あたしそんなにヤワじゃないもん!!」
「今日も暑くなるって言ってたし、運動会の合同練習もあるんだぞ!」
「平気だって言っているでしょっ!!ユウキのわからずやっ!!もう知らないっ!!」

心配して重たい学生かばんを持ってくれたり、
敢えて自分の長身の身体で日陰を作ってくれているのに
その気遣いをわかっていながらも・・・・あたしは駆け出して行った。
教室に着いて自分の机にかばんを乱暴に放り投げ、
席に着いた途端力が抜けてかばんに突っ伏した。

「ユウキのばか・・・大丈夫って言っているのに」
―――――ばかはどっちよ?
「まったく、過保護なんだから」
―――――心配してくれてるんじゃないの?
「ユウキなんか・・・もう知らないっ」
―――――いなくなってもいいの?
少し頭痛もする頭の中で意地っ張りのあたしと、素直なあたしが囁きあっていた。
あたしの姿を廊下から雄輝が見つめているとも知らずに・・・。
スポンサーサイト


この記事へコメントする
















presented by 地球の名言

紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

只今ランキング参加中なり。 ポチッとして頂けたら嬉しいです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。