2017 / 07
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Page.135

「そのくらいにしておけ!」
低く唸るような声があたし達の耳に聞こえた。
2人とも驚いた顔を声のした方に向けた。
そこには真剣な面持ちの雄輝が立っていた。
雄輝は静かにあたしに近寄り、学生かばんを持っている手を
大きな手でそっと包み込んだ。
それまであたしの心は不安で震えていたのだが
雄輝の手のひらから伝わってきた温もりにその不安は徐々になくなっていった。

「俺が北山を選んだんだ!お前にとやかく言われる筋合いは無い!」
「だって、この子は西君に似合わないよ」
「似合うか、似合わないか、それを決めるのは俺だ!」
「そんな・・・・それにあたしは中1の時から好きなんだもん」
「俺は北山が好きなんだ!小さいときから北山しか目に入らない
お前の気持ちに応えられない」
「ユウキ・・・・」

あたしは雄輝達の剣幕に驚いてしまった。
改めて彼の告白を聞き、少々戸惑いながら彼を見上げた。
今まで彼女の冷たい視線を投げかけていた雄輝は
あたしの視線に気が付き優しい眼差しを向けた。
そしてあたしから視線を外さずに話した。
「俺は、こいつ以外考えられないから。
それに好きになったヤツが『似合う、似合わない』と
装飾品ように言うヤツは最初から論外だよ」

その言葉が決定打になったのか、彼女は「諦めないから!」の捨て台詞を吐いて
足早に立ち去った。
その後、あたし達も通学路をゆっくり歩いて帰った。
途中、二言三言会話を交わしたが何故か終始無言だったが
それでもお互いに繋がっているように思えた。
通学途中にある公園のベンチに座り話をした。
夕焼けがとても綺麗に見える。

「ごめん、ここに俺が来るのが遅くなったばかりに嫌な思いさせた」
「ううん、平気だよ、あれくらい・・・」
「それでも俺は北山に嫌な思いさせたし、そんな思いをさせたくないんだよ」
「う・・・ん、ユウキ、ありがとう」
「ごめんな・・・・北山・・・・」
「・・・・・・やっぱり・・・だね」
「ん?何が?」
「やっぱり、ユウキの手って安心するんだよね」

そう言いながらあたしにしては珍しく、彼の手を取り両手で彼の手を包み込んだ。
あたしの珍しい?大胆な行動に驚き顔の雄輝は交互にあたしの顔と手を見つめた。
フッと目を細めて心を蕩かすような優しい笑顔を浮かべ、
あたしの手に包まれていた手を抜き取り反対にあたしの両手を掴んだ。
そしてその手を何度も角度を変えながら、
自分の唇に寄せて呟くように「大好きだよ」と言った。


あたしはこれから先、雄輝のこの温かい手のひらが手の届くところにあれば
きっと自分の心不安や恐れで震えることがあっても大丈夫だと思う。
そしてかれも同じに感じてくれている。
彼の温もりを通して『好き』という言葉が伝わる限り・・・。




                       -おわりー
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【】
お疲れ様です。
楽しく読ませていただきました。

騎馬戦で引っ張った女の子、
いくら相手への思いが強くてもそっちに強く出たらだめだよね。
他の面でどんなに人より優れていても
そこがダメでは台無しだわ。
いつかそういう事に気がついてくれるかな。

とにかく、
ユウキ君の手をしっかりと離さない事!だね♪
【レスです。。。】
☆緋沙子さん、こんばんは。

短編でしたが最後までお付き合い下さいまして
ありがとうございました。

まだ中学生なので人を好きになる心理も
荒削りなところがあると思うのですよ。。。
その荒削り=不器用さを表現できたら良いな~と感じてます。

この先、ヒロちゃんはユウキ君の手を離さずにいられるか!?
・・・・と次回に期待してみてくださいね~~(謎笑)
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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