2017 / 08
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小山牧師の前で2人誓いの言葉を述べる。
私は、紀ちゃん側の椅子の一番後ろに座っている。
彼らの姿が涙でかすむ。
本当に心から祝福したいのに、紀ちゃんの幸せそうな姿を覚えていたいのに、
涙が邪魔をしてよく見えない。

「真凛、感動しているの?」
「・・・・うん、そうみたい」
「色々あったけれど、祝福してあげようね・・・
でも苦しかったら、無理しないでね」
「ありがとう、雅(みやび)お姉ちゃん」

私の隣にスッと座ってきたのは、
小山牧師の娘の10歳年上の尾島雅(おじまみやび)さん。
今は結婚して姓は変わってしまったが、
ここの教会近くに居を構えているのでこうして結婚式があるときや
礼拝があるときは手伝いに来る。
私のよき理解者であり、相談相手である。
両親の愛情を知らないまま、
ここで育った私にとって雅お姉ちゃんは本当の姉のような存在である。
旦那様は地元では有名な画廊を経営されている方で、
この人は人生の中で怒った事がないのであろう・・・と思うくらい温和な人である。
この私を妹のように接してくれる、大事な家族である。


式の間中、膝に置いていた私の拳は関節が白くなるくらいギュッと握っていた。
小刻みに震えていたらしく・・・。

「真凛、無理しないで・・・苦しいのね、控え室にいる?」
「ううん、大丈夫・・・ここにいる。
ここで・・・紀ちゃん達を祝福しないと多分、彼らから卒業できないんだと思うから」
「そう・・・わかったわ・・・真凛は強くなったね。お姉ちゃんは嬉しいよ」
「お姉ちゃん・・・」

両の目から涙が溢れた。
そうなったきっかけは・・・・。
紀ちゃん達がこちらを向いて列席者から祝福の拍手を受け始めたから。
こちらに近づいてくる2人にちゃんと「おめでとう」と言えるかな?
ううん、頑張って言わなくちゃ。独りで前に進むために・・・・。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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