2017 / 08
≪ 2017 / 07 2017 / 09 ≫
Page.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Page.142

「真凛、今日は疲れているから工房には行かないのよ、いい?」
「やよいお母さん、でも・・・・はい、わかりました」
「いい子ね、今日だけは細かいことしないでね?」
「はい、心配掛けてごめんなさい」
「いいのよ、真凛は家族なんだから・・・そんなこと気にしないでね」

やよいお母さんがリビング横の4畳半ほどの和室に
簡単に布団を敷いてくれたのでそこに横になった。
この日が来るまで色々な事がありすぎて心身ともに疲弊していたのだろう。
私はあっと言う間に寝息を立てて眠ってしまった。

私が眠っている間に紀ちゃん達やそれぞれの両親が挨拶に来た。
彼らはこれから披露宴のために近くのホテルへ行くという。
小山牧師夫妻に出席するよう強く薦められていたが、丁重にお断りしたようだ。


特に紀ちゃんの養父母の三崎夫妻は、幼かった私を引き取るつもりだったのだが当時色々あって・・・・
結局夫妻は紀ちゃんを引き取り正式に養女とした。
実子がいなく事業を大きく展開していた夫妻は後継者として身寄りの無い子を引き取りたかったという。
私が幼い頃は山の里教会は乳児院と養護施設を併設されていたため、
紀ちゃんは4歳から7歳までここで過ごした。

私の場合、教会前に生まれてすぐ捨てられた形だったらしい。
姓もない赤ん坊に同情した当時小山牧師が引き取る形で私は家族同様に育った。
私がこの教会へ来た日は・・・・置き去りされた日は・・・・
小雨降る4月の朝だったという。
ピンクのおくるみに包まれて・・・その中にメモ書きで
『真凛と名づけました。私には育てられません。どうかこの子をよろしくお願いします』
小さな万華鏡にメモが留められて入っていたらしい。
姓は『山の里教会』に因んで『山里真凛』と名付けられた。
その万華鏡は、今も私の宝物であり、産みの母であり・・・・
そして『大好きなお兄ちゃん』を思い出させる。
私もこれを制作する工芸家となれば、
きっと母にも、お兄ちゃんにも会えるような気がして
・・・そして『星』が見つかるような気がする。
スポンサーサイト


この記事へコメントする
















presented by 地球の名言

紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

只今ランキング参加中なり。 ポチッとして頂けたら嬉しいです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。