2017 / 06
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あれから・・・2年。
そう紀ちゃんが結婚してから2度目の秋が来た。
私は山の里教会の礼拝堂を真ん中にして
母屋と真反対の位置にある工房で万華鏡を制作している。
この頃は、カルチャーセンターにも呼ばれて主婦を中心に教えている。
週に2回の講師と自分の万華鏡制作で日々忙しく、
紀ちゃん夫妻のことでささくれ立っていた心は徐々に癒されていった。
近くに住む雅お姉ちゃんが3人目の子どもを出産するなどあり、
喜びもあり平凡だが穏やかに過ぎていった。


この秋にはお姉ちゃんの旦那様の画廊にて初の個展を開くこととなった。
以前からこの企画はあったのだが、
私の気持ちがうわべだけ浮上していても良い作品は出来ないと、
やよいお母さんからのアドバイスもあり、やっと今年実現する運びとなった。

工房には細かい雑用係として雅お姉ちゃんの妹の薫(かおり)お姉ちゃんが
ほぼ毎日来てくれている。
既に結婚していて旦那様は貿易商を営んでいる。
お姉ちゃん曰く「真凛の工房を理由に毎日実家に入り浸れるから嬉しい」という。
薫お姉ちゃんは私より7歳年上、その下に私より3歳年上の匡(きょう)お兄ちゃんがいる。
匡お兄ちゃんは、牧師の勉強のために今は遠いところに住んでいる。

「真凛、これらは出展するもの?」
「ええ、薫お姉ちゃん、そこの青い箱に入っているもの全部ね。」
「わかったわ、でも・・・これあなたのママの万華鏡も入っているんじゃないの?」
「ううん、これね。実は同じ大きさのレプリカなの。本物は・・・しまってあるから」
「え~~!?レプリカ?全然わからなかったわ。
この古い感じもそっくりよ!さすが工芸作家様だわね~~きちんと『良い仕事』しているわ♪」
「やだ~もう、薫お姉ちゃん、からかわないでよ~~私はまだまだなんだからさ~~」
「そう?うちの旦那さんも『是非とも輸出商品に加えたい』って言っていたわよ。
手先の器用な日本人が制作したものはマニアの中では重宝されるらしいわ。
個展が終わったらその分も考えておいてね?」
「は~い、わかりました。
でもお義兄さんも目が肥えているから中途半端なものを出せないから大変だわ!!」
「真凛先生!期待していますよ!!」
「了解でありますっ!!」
お互い顔を見合わせてプッと噴出して笑った。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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