2017 / 05
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あの岬で偶然真凛を見かけたとき、全てを話してしまおうかと思った。
でも小山牧師との約束していたから、敢えてそのことには触れないように心掛けたつもりだった。
子どもの頃、真凛と過ごした時間を思い出すかのよう喫茶店で過ごしたあの貴重な時間。
僕は・・・・一瞬でも彼女を忘れることなんか出来なかったんだと改めて感じた。


子どもの頃、僕もあの岬によく行った。
多忙な父が時間を見つけては遊びに連れて行ってくれた。
そこで山の里教会の子ども達とも交流があった。
僕は両親に連れられて日曜礼拝で、まだ小さな真凛に会った。
賛美歌を歌っているクワイアを前に手を振りながら、礼拝椅子に大人しく座っているのを
今でも覚えている。
幼かった自分でもこの子は『祝福されて生まれて来たんだ・・・僕に会うために』
そう確信した。
大きくなった必ず自らの手で彼女を幸せにすると誓った。


真凛が7歳になったとき、ある夫婦が養女として引き取りたいと願っていることを聞いた。
彼女の将来のためにその方がより良いと考えた周りは話を進めていったという。
しかし、いつの間にか三崎紀江が養女となるようになっていったらしい。
真意は定かではないが・・・真凛の将来を羨ましがり真凛ともめたらしい。
家族同様に育った真凛には小山牧師夫妻の子ども達が常に味方になっていることも
面白くなかった紀江は、自分の方がこれから幸せになるべきだと主張したらしい。
たった7歳でこんなことを主張できるのか?と周囲の大人は驚くばかりだったが
彼女も本当の愛に飢えていたから仕方がなかったのかもしれない。
自分を保つために、自分の幸せのためのある意味自己防衛反応だったのだろう。

紀江が引き取られてから・・・
僕も父の仕事の都合でヨーロッパへ付いて行かなければならなくなった。
当時父方の祖父母の下で暮らしていたので、僕は出来れば彼女いるここに残りたかったが
特に母が方々の外国での暮らしを薦めた。
最初は「嫌だ!!」と断固拒否していたが、やはり両親から離れて暮らしていけるほど
自分自身は大人ではなかった。
真凛との別れの日まで僕は時間を惜しむように毎日彼女に会いに行った。
『大切な真凛』『大好きな・・・いや、愛しい真凛』
一度として忘れたことがなかった。
そして彼女と一緒に見た万華鏡の星たちを決して忘れることは出来なかった。

喫茶店で別れた時、いつまでも彼女の後ろ姿を見つめていた自分。
彼女への愛しさが全身から吹き上げてくるのを感じた。
子どのもの頃、あの礼拝堂で誓ったように改めて自分に誓った。
もう決して彼女を離さないと・・・・。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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