2017 / 11
≪ 2017 / 10 2017 / 12 ≫
Page.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Page.156

自分が幼少の頃に住んでいたこの家をリフォームして居住部分と作業場を併設した。
それと・・・いつか一緒に住めることを望み彼女の工房スペースも確保してある。
今いる部屋は元々自分の子ども部屋だった。
大きな天窓を新たに付けた。
仄かな灯りにし、天窓からまるでプラネタリウムのように天空の星星が見える。
この家の立地の所為か、都会と違い夜でも晴れていれば星がよく見える。

今、手がけているグループのプロデュース作業をしていたのだが、
ふと目の疲れを感じ、椅子の背もたれに伸びるように上を仰いだ。
謙杜は無意識に右手を星を掴むように天窓に向かってあげた。
「掴めないのか?」
無意識に発せられた自分の言葉に心が震えた。
目じりに涙が沁みた。
満天の星が掴めないように真凛の心も、愛も自分の手に掴めないのだろうか・・・。
もう時が経ちすぎてしまったのだろうか。

机には先日、彼女の工房へ行った時に貰った万華鏡がパソコンの横に飾ってある。
そこにはいつもきらきらと星が瞬いているに・・・
大きな事を望んでいるわけではない。
ただ彼女に自分の存在を気付いて欲しいだけ。
彼女の愛を欲しているだけ。
彼女と一緒に生きていたいだけ・・・・。
たったそれだけなのに、それはもう望んではいけないのだろうか・・・・。
僕の『星』は天空の彼方へ逝ってしまったのだろうか。

手がけている音楽グループは先ごろメンバー2人がかけがえのない『星』を見つけたと聞いた。
・・・・・心底羨ましいと思った。
そう思い、もう一度謙杜は天窓に向かって両手を掲げるようにした。
スポンサーサイト


この記事へコメントする
















presented by 地球の名言

紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

只今ランキング参加中なり。 ポチッとして頂けたら嬉しいです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。