2017 / 07
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バッグとケーキを持って助手席に乗り込んだ真凛だったが
シートベルトに手こずってしまった。
荷物を片手に悪戦苦闘していると、
謙杜が半ば覆い被さるように真凛のシートベルトを掴み手早く装着した。
一瞬、彼の前髪が彼女の頬を掠めた。
真凛は心臓が跳ね上がるような感覚に陥り「ヒュッ」と息を吸い込んだ。
彼から発せられる香りなのだろうか・・・心地好いと思った。

「大丈夫?ベルト、きつくないかな?」
「ハ、ハイ!大丈夫です」
「荷物、いっぱいだね?その箱は後ろの席に置く?」
「いいえ、中身はケーキなのでバッグ方が良いかも」
「そう?じゃぁ、バッグを後ろに置いて・・・本当にそれもイイの?」
「ええ、だって・・・もし落ちてしまってプチケーキが皆くっ付いてしまって
1個のケーキになってしまったら悲しいです」
「ははは・・・面白いこと言うね」
「一応・・・手土産に!と思っていたんですよ」
「ありがとう・・・でもそんな気を遣わなくても良いのに」
「初めてお邪魔するのに、手ぶらってわけにいきませんから」
「そう・・・中身がとても楽しみになったよ。
じゃぁ、ケーキのためにも安全運転で行きます!」
「ハイ、よろしくお願いします」

謙杜は車のギアを入れ静かに発進させた。
住宅地へ向かう道は少々混み始めていたが、
少しでも長く彼女と同じ空間に過ごせることを素直に喜んだ。
大切そうにケーキの箱を抱えている彼女を目の端にとらえながら
自分の家に招待することが予想以上に楽しみにしている自分に改めて驚いた。
そしていつか・・・近い将来・・・
いつも彼女が自分の横にいてくれることを強く心の中で願ったのだった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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