2017 / 05
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見るからに古い建物であろうと思わせるような洋館風の家の前で車が止まった。
門扉からエントランスまで所々にガーデンライトで明るく照らされており
とてもロマンチックでありながら落ち着いた感じだった。
謙杜がリモコンで門扉を開け、車庫に車を止めた。

「ここだよ・・・」
「わぁ~~素敵なお家ですね!!」
「古いんだよ・・・でも中はだいぶリフォームしているから・・・さぁ、どうぞ」
「お邪魔します・・・」


玄関に入った途端感嘆の声を上げた真凛だった。
ブーツを脱ぐのを忘れて大きな吹き抜けとなっている
玄関ホールをぐるりと見渡した。
ゆるく弧を描いている階段の上がりきった正面に
銀河を思わせるような大きなステンドグラスが目に入った。
真凛は、職人技が光るそのガラス工芸品に見惚れてしまった。

「真凛、いつまで玄関にいるの?屋内とはいえ・・・ここは冷えるよ
こっちへおいで・・・お茶を淹れよう」
「あっ!すみません・・・あまりにもここが素敵だったから・・・
ここがこんなに素敵なんですもの・・・きっとここのお家全部素敵なのでしょうね~♪」
「いや・・・ここだけかもよ・・・?」
「えっ!?豪華一点張りですか?」
「そう!」
「えぇ~~~そうなんですか~~~?」
「まぁ、興味あれば・・・案内するよ」
「ハイ、あっ!いえ、そんなつもりで言ったんじゃないです!
でも音楽家の感性って興味あります・・・」
「そう?じゃぁ、音楽プロデューサーのプライドを掛けて一生懸命披露しなくちゃね」
「いや、そこまで一生懸命にならなくても・・・・」
「ははは・・・真凛は本当に面白いね。君の感性の方が僕は興味があるな」
「そうなんですか?」


真凛は大きな鉄製の暖炉のある広いリビングに通された。
居心地の良さそうなソファに座るよう促された。
「ところで・・・食事は済ませた?」
「今日は19時過ぎまでレッスンがある日なので、夕方早い時間に軽く済ませているんです」
「そうか・・・でも少し何か食べる?小腹が空いていないか?」
「・・・・実は少し・・・・」
「じゃぁ、家政婦さんは作ってくれたクラムチャウダーで良いかな?」
「ええ、そんな・・・お構いなく・・・じゃぁ、私お手伝いします」

そう言いながら手早くコートを脱ぎ、黒いセーターの袖を捲くり手早くキッチンに立った。
謙杜の許可を得て冷蔵庫を開け中身を確認し、
タッパーに入れてあるクラムチャウダーを鍋に移し弱火で温め
その間にリーフレタス、プチトマト、ブロッコリースプラウトを洗いガラスの小鉢に盛り
軽くクレイジーソルトを振りかけた。
カフェオレボールのようなスープボールに温まったクラムチャウダーを入れ
クラッカーを数枚添えて一枚板でできたダイニングテーブルの上に置いた。
5~6人はゆうに座れるであろうそのテーブルに真凛と謙杜は向かい合わせに座った。
2人両手を合わせて「いただきます」と言い
そして顔を見合わせてにっこりと微笑みあった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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