2017 / 05
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いつの頃からだったのだろう。
あいつを意識始めたのは・・・・。
お隣のかわいい弟的存在だった。
自分の妹のクラスメートで、妹の初恋の相手だった。
ある日突然私の前に現れた彼は、あっと言う間に私の心の中に棲み付いた。
そして片時も忘れられない存在となっていった。


妹が小学校に入学する年の3月の下旬、彼は母親と共にここへ引っ越してきた。
私、箕面凪子(みのお なぎこ)が小学校5年生の時、
小学1年生の如月一路(きさらぎ いちろ)は短髪で目がクリッとした男の子だった。
引越しの挨拶の時、母親の影に隠れて頭だけひょっこり出して前歯が抜け替わりなのか
隙ッ歯の顔でにっこりと笑ったのが印象的だった。
当時、お隣には一路の祖父母が長く住んでおり、
彼の両親が離婚し母親の実家であるここへ越してきた。

妹の風花(ふうか)と同い年だったので家族ぐるみで付き合うようになった。
毎朝の登校は私と妹と一路で出掛ける。
妹は元々身体が弱かったので小学校低学年の頃は入退院を繰り返していたため
自分が小学生時代の一路との登校は殆ど2人だけの時が多かったかもしれない。
彼が1~2年生の時だけでも一人っ子のせいか凄く人懐っこくて
いつも「なっちゃん!」と慕っていてくれたっけ。


春の運動会も夏祭りも初詣もいつも一緒に過ごしていた。
夏休みには隣県まで海水浴にも行った。
でも、それも私が中学に入る頃には徐々にそういう交流がなくなっていった。
・・・というより、私自身部活や勉強に忙しくなり
そういう家族ぐるみの付き合いから1人外れていったのかもしれない。


中3後期の期末試験の準備をしている頃・・・・。
隣の家の玄関扉を鍵で開ける金属音がして、
玄関にランドセルを放り投げるような音がした。
いつもならその後、改めて施錠する音とマンションの廊下を
パタパタと軽やかに走り去る音がするのだが
その日に限って自分が期待していた音がしなかった。
その代わりに我が家と真反対の間取りの家の壁に「ドン!」と
やや強めに物が当たるような音がした。

不審に思った私は自室から出て、一路の家の玄関扉を軽くノックしてから開けた。
黒いランドセルと絵の具バッグを廊下に放り出した形で、
その投げ出した本人は玄関先で蹲っている状態が目に入った。

「一路!どうしたの?」
「なっちゃん・・・?」
「怪我したの?」
「頭が・・・グルグルする・・・」
「熱出た?」

通学用の帽子を脱がせて額に手を当てると検温せずとも
一路の体温が明らかに平熱でないことがわかった。

「一路!熱出たのね?苦しいよね、
今日お母さんは?おばあちゃんとおじいちゃんは?」
「母さんは夜勤・・・ばあちゃんとじいちゃんは旅行に・・・行っている・・・」
「わかった・・・じゃぁ、うちに来て寝なさい!」
「でも、いいよ」
「ダメ!絶対にダメ!!そんな高熱であんたを家に置いておけないよ!!」

そう言いながら高学年になってからグングン身長が伸び、
今の私とそう変わらない背丈の一路を抱きかかえるようにして
半ば強引に自分の家に連れて来た。
ランドセル等は廊下の隅に置き、
下駄箱の上に大きな字で書いた手紙を一路の母親宛に置いた。

高熱でぐったりとしている一路を自分の部屋のベッドに寝かした。
ぬるめのほうじ茶を淹れ、すぐに氷枕と小児用の頓服薬も準備した。
その間、一路は歯の根も合わぬほどガタガタと震えていた。

「なっちゃん・・・ごめん・・・」
「ハイハイ、病人は気にしないんだよ?氷枕痛くない?もっとお茶飲む?」
「・・・・うぅん・・・・大丈夫・・・」
「そう?少し寝てね」
「うん・・・なっちゃん1人?・・・・おばさんは?」
「あぁ、お母さんはふうちゃんの付き添いで病院なのよ
昨夜、また発作があってね、そのまま入院になっちゃたから今は私1人お留守番よ」
「・・・・・・・・」
「寝ちゃったのね・・・・」

かなり息の荒い一路の額に手を置き、固く絞ったタオルをそっと載せた。
そして凪子は勉強道具を片手に自室からダイニングへ移った。
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【こんにちわ。】
テンプレートが春!だぁ
始まりを感じますね♪

こ、こりはもしや・・・、
と、年下の男の子~ですか?
楽しみに読ませてもらいますね。
【レスです。。。】
☆緋沙子さん、こんにちは。

レスが遅くなって申し訳ありませぬ~~(平伏)
先週はメッサ忙しくてぇぇぇ。
PC前に座れる時間になれば夫が鎮座している始末。

ささっ!気を取り直して!!
春仕様のテンプレにしました♪
トップの写真が変わるのが気に入っています。

>こ、こりはもしや・・・、
と、年下の男の子~ですか?

ハイ、その通りでごじゃりまする。
淡~~い恋心と+α(むふっv・謎笑)を描けたら幸いです。
どうぞ、お付き合いくださいね。宜しくお願いします。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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