2017 / 09
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渡り廊下で凪子と別れて委員会のため教室へ行った。
委員長と顧問の話は殆ど聞いていない状態だった。
1時間弱のその時間も長く感じられるほどだった。
終わり次第、学校を飛び出し、帰宅した。
自宅には祖母しかいなかったが、暫くしたら出掛ける旨を伝えた。
そして凪子から電話があり、30分後に近所の公園で会う約束した。

約束時間に間に合うように身支度を整えて家を出た。
玄関扉を開けたところに風花が立っていた。

「一路、どこ行くの?」
「どこだってイイだろう」
「風花も行ってイイ?」
「いや、来て欲しくない!」
「じゃ、誰に会うか教えて」
「言う必要ないだろう?」

そう言いその場から離れようとした。
一路の背中に向かって風花が言った。

「お姉ちゃんに会うんでしょう?」
「・・・・・・」
「学校の渡り廊下でのこと見たんだからね!」
「だから?」

一路はもう一度風花にゆっくりと向き直った。
小柄な彼女を上から威圧するような目つきで見つめた。

「お姉ちゃんは4歳も年上なんだよ?」
「それがどうしたんだよ?」
「一路は・・・お姉ちゃんが・・・
ううん、風花が一路のこと好きなの知っているでしょう?」
「それで?」
「お姉ちゃんはもうすぐイギリス行っちゃうのに
年下なんかに相手にしないんだからね!」
「言いたいことはそれだけか?」
「一路をお姉ちゃんになんか渡さない!」
「それはお前が決めることじゃないし、俺は物じゃないから」

冷たい視線をもう一度風花に向けて、エレベーターホールへ歩き出した。
背後では風花の大きな声が聞こえたが無視した。

言われなくてもわかっている。
風花が自分の事を好いてくれていることも。
自分が4歳年下のことも。
彼女が弟のようにしか思っていないことも。
自分が一番よく理解しているつもりだ。
それでもこの気持ちはもう心の内にしまいこんでいられないくらい溢れていた。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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