2017 / 10
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今夜は祖父母も来てくれて祖母特製のちらし寿司と母の手料理に
家族全員舌鼓を打った。
留学経験は実りあるものだったが、
食事に関しては寮の食事はあまり口に合うの物ではなかった。
同じくアジア圏から留学してきた友人と食材を持ち寄って
『なんちゃってアジア料理』は度々作ったがやはり祖母や母の手料理に優るものはない。

「なっちゃん、たくさん召し上がれ」
「おばあちゃん、ありがとう、すっごく美味しい!!」
「そうよ、なっちゃん、イギリスではあまり口に合うものがないって
言っていたじゃないの?」
「うん、なんかね・・・
私には特にイギリス料理があまり好ましくなかったんだ」
「それでも『郷に入ったら郷に従え』っていうくらいだからそれなりに食べたんだろう?」
「うん、おじいちゃん、それはやっぱり大事なことだよね」
「とにかく今夜はなっちゃんの好物ばかりお母さんとおばあちゃんで頑張って作ったから
お腹とよく相談しながら召し上がれ」
「もうどれも美味しいから、胃薬飲んでも食べたくなっちゃうよ」

皆が凪子の帰国を喜び祝ってくれた。
1人を除いて・・・・。

「お姉ちゃん、もっとイギリスにいれば良かったのに・・・」
「これっ!ふうちゃんっ!!」
「だってぇ、お母さん、お姉ちゃんが帰って来たら
また風花が目立たなくなっちゃうもん!」
「風花っ!!なんて言い草だっ!!凪子が帰って来て嬉しくないのかっ!?」
「お父さん、いいよ・・・」
「凪子は黙っていなさい。風花、お前も4月から中3になるんだから
その辺りも含めてもう少し自覚をしなさい!甘えもいい加減にしないかっ!!」
「ハイハイ、お父さんもお母さんも出来の良い自慢の娘である
お姉ちゃんとまた一緒に暮らせて嬉しいでしょう?
身体弱くって勉強全然出来ない風花なんていない方が良いんでしょっ!?」

その場の空気は風花の文句で一気に冷え切った。
風花は食事もそこそこで席を立ってしまい自室に引っ込んでしまった。
それを追いかけるように凪子も席を立ったが、父親に制されてしまった。
彼女の部屋に祖母が行った。

「凪子、帰国早々これだよ・・・」
「いいよ、お父さん、やっぱり家にいるって感じだもん!!」
「そうよね~なっちゃんにはいつもこんなのが
日常だって思って生活はして欲しくないんだけれど」
「お母さん、そんな風に言ったらふうちゃんが悪者になっちゃうよ?
私は気にしていないから・・・・
ずっと妹だもん、それでも・・・譲れないこともあるけど」
「なっちゃん?」
「ふうちゃんはなっちゃんのことが好きだから
ライバル視しているところがあるんだと思う。
だからそこはお姉さんなんだからわかってやらんとな?」
「うん、おじいちゃん、わかってる」
「やっぱり私の孫は良い子だね!」
「お義父さんったら・・・」
「さて、もう1本ビール開けましょうか、お父さん!」

先ほどの殺伐とした空気はあっと言う間に穏やかな雰囲気になった。
そして母手作りのイチゴのババロアをデザートに充分堪能した。

時差ぼけの所為か21時過ぎには睡魔と疲労が襲ってきたので
早々に入浴し自室に引っ込んだ。
イギリスいた頃の習慣で一路から送られていた絵葉書を読み返し
明日彼に会える事を楽しみにしながら就寝した。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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