2017 / 08
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松原先輩の前で宣言した秋から凪子は外部の大学を受験するため猛勉強をした。
脇目も振らず、ただただ自分の夢を叶えるべく志望校に入るために・・・。
お隣さん同士といえど、俺との会う時間も必然的に少なくなっていった。
それでも俺達の気持ちは繋がっていた。
言葉を交わさずともアイコンタクトででも気持ちは繋がっていたから・・・。


桜前線の情報が聞かれる頃・・・。
凪子は一念発起して見事志望大学の合格を獲得した。
合格発表には何故か俺を連れて行った。

「一路・・・これで落ちていたら・・・県内の私立大だよ」
「平気だよ!これまで凪子はがむしゃらに頑張ってきたじゃん!」
「でも、試験に合格しなくちゃ入れないんだよ?」
「大丈夫だって!俺と遊ぶのも殆どしないで頑張ってきたし」
「それもそうなんだけれど・・・でも・・・」

凪子の声が段々と小さくなり、彼女の手を繋ごうとした。
手のひらはいつもと違いひんやりとしていた。

「冷てぇ・・・」
「あっはははぁ・・・なんかもう家を出るときからこんな感じ」
「緊張してるの?」
「うん・・・緊張してる」
「いっつも堂々としている凪子さんなのにね~」
「何それ?凪子さんって・・・私だって緊張するよ」
「ハイハイ、そうですね」

俺は繋いでいた手を改めて力を込めて半ば強引に引っ張るように早歩きになった。
背の低い凪子にとっては小走りにになっていたが・・・。

「一路ぉ、痛いよ」
「結果、早く知りたくないのかよ?」
「知りたいよ!でも・・・合格していたら
家から通いきれないから、一路からも離れちゃうんだよ・・・」
「でも、凪子が夢を叶えるためだろう?」
「そうだけれど・・・」
「とにかく行くぞ!!」

俺はきっと離れ離れになってしまうことを確信し、
それによって自分の気持ちが言い知れぬ焦燥感が襲ってくるのを
打ち消すように凪子の手を強く握り更に歩みを速めた。
ほんの数分で前方に彼女が第一志望として受験した大学の正門が見えた。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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