2017 / 07
≪ 2017 / 06 2017 / 08 ≫
Page.

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


Page.22

落ち着かない様子で彼女が立っていたので隣の椅子を勧めた。
彼女は浅く座り、膝の上に両手を握り締め俯き加減に話し始めた。
「あの・・・・ごめんなさい、あの時私があなたの手を握ったりしたから・・・」
そう言っているうちに彼女の顔は更に俯き、ストレートの髪がハラリと肩に掛かった。
耳の裏まで赤くなって一所懸命話そうとしている。
それなのに俺は彼女の友人が説明してくれたこと考えながら
今、目の前にいる彼女の態度を半ば呆然と照らし合わせていた。

俺が返事もせず黙り込んでいたため、ふと彼女は顔を上げ俺の表情を読み取ろうとしていた。
そして何か誤解したのか、徐々に瞳が潤んできてしまった。
「やっぱり・・・・怒っていらっしゃるんですね?
あなたは・・・・・私に対して・・・えっと・・・そんな風に思っていらっしゃらないのに
私だけが・・・・・あなたを!!・・・ご、ごめんなさい」


今なんと言った!?
ま、まさか!?彼女の母国語は殆ど理解できているはずなのに
一瞬思考回路がストップしてしまったかのように
ただ一つの言葉だけしか耳に入らず、それだけしか考えられなくなってしまった。

『私だけがあなたを・・・・』その言葉だけ
これだけで充分だった。
スポンサーサイト


この記事へコメントする
















presented by 地球の名言

紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

只今ランキング参加中なり。 ポチッとして頂けたら嬉しいです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。