2017 / 11
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「凪子、喋りすぎ」
「うん・・・・」
「泣いているの?」
「・・・・・・」
「俺は・・・凪子が離れていくのを寂しくて仕方がない」
「一路・・・・ごめんね」
「謝らないで、凪子が選んだことだから応援はするよ
でも、俺の気持ちとしては・・・ということだから」
「うん、わかってる、私もね・・・本当はここから離れたくないの
ここから大学に通いたいの、でもね・・・・」
「わかっているよ、通いきれないことぐらい
それに遊ぶために大学に行くんじゃないだろうから、忙しくなるだろう?」
「う・・・・ん」

私は一路に手を握られたままポツポツと話した。
彼もそれに答えるように優しい声色でゆっくり語りかけるように話してくれた。

「何も・・・言わなくていいから」
「だって、一路・・・」
「わかっているから、今はこのままで・・・」
「うん・・・一路ぉ・・・」

自分の肩に私の頭を凭れかけさせて
4歳年下とは思えないくらい大きな手のひらで
頭を抱えるように優しく撫で続けてくれた。
彼の包み込むような包容さに今は気持ちと共に委ねるだけにした。

「留学した時みたいに今回も見送らないから」
「う・・・ん、わかった・・・・」
「きっと引き止めてしまって、この年で駄々をこねそうになるから」
「わかるよ・・・私も多分、一路の顔を見ていられないし・・・」
「だから、今はこのまま、凪子の温かさを覚えておきたいから」
「一路・・・私も」

私がふと一路の顔を見上げたのを合図に彼の長い指先でそっと顎を優しく捉えられた。
お互いジッと見つめたまま・・・。
彼の瞳の中に私が映っている・・・そして私の潤んだ瞳の中にもきっと彼が映っているはず。
再び溢れてしまった涙を彼の唇で拭ってくれた。
目じりから頬にかけて、口元へと優しいキスをしてくれた。
そしてもう一度お互い見つめ合い、どちらからともなく唇を寄せ合い
少し熱を帯びた口付けを何度も交わした。
お互いの温もりを決して忘れないように・・・と。
やがて一路の熱い口付けは私の首筋から鎖骨まで徐々に移動し始めた。
私は初めての感覚に少しの衝撃を感じたが、
彼の柔らかな唇の感触を感じていたくて
彼の首にしがみ付くように両手を回した。

「な・・・ぎ・・・こ・・・・」
「い・・・ち・・・・」

これ以上はきっとダメだとお互いが感じている。
それだからこそ離れられない。
何度も首筋に彼のキスを受けていた私の方が我慢できなくなってしまった。
しがみ付いていた手をそのまま一路の両頬に添えて
自分の想いを託すように、彼に注ぐように今まで一番熱い口付けをした。
心も身体も震えるくらいの・・・口付けだった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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