2017 / 06
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映の保育園までの道のりは車で約10分ほど。
乗り降りや保育園での支度等の時間を含めたら
電車に乗るまでの時間は約30分近くは掛かってしまう。
少し時間が押していることを腕時計を何度も見ていたようだった。

「和華子、映を預けてから・・・急行の止まる駅まで送るから」
「いいよ、そんなことしたら、悪いよ、疲れているのに」
「いいから、俺がそうしたいんだよ」
「でも・・・今日だって里津さんに迎えに来てもらうんだよ?
おんぶに抱っこに肩車でお世話になったらいけないよ・・・」
「家族のようなもんだからいいんだよ・・・」
「ごめんね、ありがとう、翔」
「『ごめんね』はいらない、
でも『ありがとう』は嬉しい」

これほどまでに親切にしてくれる友人に心から感謝しているうちに
程なくして車は保育園に到着した。

「翔は降りないで!」
「どうしてさ?」
「いいから、あっくん、降りるよ」

息子を片手で抱き上げとりあえず保育園の門の中へ入れる。
それから助手席の荷物を取り出した。
その後、翔は車を路肩に寄せ停車ランプを点滅させた。


それを確認しながら私は保育園に息子と一緒に入って行き
早番の保育士に息子を預けた。

着替え等を息子のロッカーにしまい
申送り用のノートを所定の位置に置いた。

保育士に挨拶をしていつものように
息子にギュッとハグしてバイバイをしてから
翔の待つ車に乗り込んだ。

「この道路の状況だったら・・・3個先の駅でも大丈夫そうだよ?」
「ううん、いいよ、いつものところで」
「3個先だったら、そんなに乗車時間も長くないでしょ?」
「だから、いいって!」
「和華子?どうした?」
「あっ・・・ごめん、じゃぁ、3個先の駅でお願いします」
「ラジャー!!」


2人を乗せた車は静かにすべるように発進した。
心地良い振動と真反対に私の心は、
仕事で疲れているであろう翔に対して
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
ただの幼友達なのに・・・シングルマザーなのに・・・
ちょっとのことでイラつく自分に嫌気が差し情けない気持ちになった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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