2017 / 05
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彼女との愛を育みながらアイドルグループのメンバーとして
確たる地位を徐々に獲得していった。
望んでいた現実が手に入った。
愛する女性が傍にいてくれる。
それが何よりも自分にとっての幸せだと感じていた。
相変わらずゴシップ誌には根も葉もない噂を流されていたが・・・。
そのたびに実家から呼び出しもあった。

「柾央、色々あるみたいだけれど・・・
お父さんの仕事のことを考えたら
然るべきのところの女性とお付き合いしてよね?」
「お袋、『然るべき』ってなんだよ?」
「次男だから好きなことはさせているけれど・・・」
「それはありがたいと思ってる。でも俺の女・・・
いや、一生共にしたい女性は俺自身で決めたい」
「じゃぁ、兄弟との釣り合いが・・・妹の方も足を引っ張らないでよ
お母さんは・・・特にプライベートのことは反対よ!」
「俺は俺だから」

そんな話をお袋としていたところへ父親と兄が帰宅した。
俺をちらっと見た兄は何も言わずに携帯でどこかに電話をし始めた。
きっと最近結納を交わした女性に電話でもするのだろう。
父親は肩をポンポンと叩き書斎へ来るように促した。
母親からの執拗な小言にウンザリしていたので父親の後について書斎に入った。

「柾央、仕事は順調か?」
「ああ・・・順調だよ」
「そうか、プライベートも順調というか充実しているようだな」
「親父には敵わないな、ある程度のことは知っているんだろう?」
「まぁな・・・お母さんの言っていることは・・・仕方がないとしても
お前の思い通りにしなさい」
「ありがとう」

この世界に入る前に衝突もしたが、
十分父親と話し合った。
だからここまでこの人は自分を信頼してくれているのだろう。
そして父親の器の大きさを改めて感じ、
いつかは父親を越えたいと思った。

「噂があるということは、お前も売れてきたということだ。
まぁ、そっちが落ち着いたら・・・一度連れて来なさい」
「ええ、そうします」
「それまでに・・・お母さんの方は説得しておくから」
「親父、ありがとう」
「お前が選んだ女性だ。きっと良いお嬢さんなのだろう。
会えるのを楽しみにしているよ」
「きっと、気に入るよ。彼女は・・・いい子だから」
「ははは・・・もう惚気か?」
「・・・そんなんじゃないよ」

父親は親愛の情を込めて俺の背中を叩き、
俺は柄にも無く顔を赤らめてしまった。


そんなことをぼんやりと考えながらいた。
ふと保育園の方に視線を移せば、門扉の辺りに人の出入りがあった。
三々五々降園時間なのだろうか。
人の出入りの人数が増えてきた。
俺は店を出て保育園へ向かった。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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