2017 / 05
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今までの世界に全く色が無かったのか・・・と思えるくらい
世界は様々の色で彩られているのだと感じる今日この頃。
守るべき者の存在を知ったとき一気に世界が色づいた。
一日に何度も暇さえあれば携帯のディスプレイに見入る自分。
メンバーはそれを見て初めこそからかっていたが、
事情を全て話してからは優しい眼差しで見守ってくれていた。

彼女と我が子と再会して、生まれてから今までの撮り貯めていた写真を
自分のパソコンに取り込みそれを更に携帯の待ち受け画面にした。
それと一日一回は彼女から映の日常風景を写メしてもらうことにした。
頻繁に会いにいけないために。

あまり寄り付かなかった実家にも顔を出すようになった。
両親や兄弟と話しているときも
ふと彼女や映に想いを馳せてしまっているようだった。

「いい顔するようになったな」
「親父・・・」
「あの頃の・・・お前にやっと戻ってくれたか」
「えっ?」
「荒れる前のお前に・・・だよ」

そう言う父親の目じりが少し下がり気味に見えた。
何か言いたげの父親は書斎に来るように促した。
そして小さなアルバムを数冊見せてくれた。
そこにはまぎれもなく自分の愛する女性と子供が写っている
たくさんの写真だった。

「これ・・・」
「これは・・・私の大事な孫と
・・・いつか嫁と呼べる女性かな」
「どういう・・・?」
「驚いたか?はははっ・・・そうだろう、
私が反対していると思い込んでいたみたいだからな」
「大学の後輩の石川に頼んでね・・・
彼女と孫の保護者になってもらっていた」
「石川さんって・・・翔の?」
「あぁ、そうだよ、一人息子とは同じ事務所だったな」

生まれたばかりの映を優しく見つめる和華子の写真。
翔の母親と一緒に写る宮参りの写真。
鯛の尾頭付きのお膳の前で眠ってしまっている映。
ベビーカーに乗って和華子と楽しそうに笑う映。
一升餅を背負わされて泣きながら立ち上がろうとする映。

どれもこれも愛情に満ちた写真。
彼女の部屋で見た写真とダブるものもあった。

「母さんがこの写真を敢えて見ていないんだ。
本当にお前が孫と彼女を連れてくるまで見ないて言ってな。
あの頃、目先のことばかり気にして
ちゃんとお前を見てやれなかったことを後悔していて、
その結果きちんとした形で孫と嫁を迎えてやれなかった
母さんなりのけじめみたいなもんだ」
「そんなことを・・・」
「お前も私も母さんも本当に意味での幸せというのを
気づかせてくれたのが・・・彼女とこの子だな。
石川に頼んで彼女の就職先も住まいも・・・
この写真も全部頼んだというわけだ」
「会いに行きたかったよね?」
「そりゃぁ、そうさ・・・
しかし、人としてのけじめはきちんとつけなければ
以前に話したと思うが、近々連れて来なさい、いいね。
母さんも・・・恐らく限界だと思うから」
「はい、そうします。親父・・・ありがとうございます」

当分この人を超えることは出来ないと思った。
しかし近い未来かけがえのない幸せをこの手に掴みたいと、
いや・・・掴まなければならないと思った。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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