2017 / 06
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「映の父親ってあいつだったんだ」

里津さんの手伝いで母屋にお邪魔していたとき
翔からやぶからぼうに言われた。
私が返事する前にあっさりと肯定形の返事をしたのは彼の母親だった。

「お袋・・・知ってたのかよ?」
「初めから知っていたわけじゃないのよ。
でも和華ちゃんのご両親に事情を話したときに聞いたの。
全部ひっくるめて受け入れることをお父さんと約束したのよ」
「知っていたらなんで俺に話さないんだよ!」
「だってあんたは、和華ちゃんに好意を持っているでしょう?
妊娠して途方にくれている人に対して冷静でいられる?
ご両親でさえ冷静でいられなかったのよ」
「だからって・・・」
「和華ちゃん、結果的に騙したような形になってしまったけれど
全てあなたとあっくんの幸せを考えたらこういう形がいいと思ったの。
いずれ・・・彼とも話し合わなくちゃいけないと思っていたし」

里津さんは言葉を選びながら今までのことを話してくれた。
今この時期にこういう結果になったというこは
もう一歩前に進まなければいけないということだと話してくれた。
自分と子どものことを考えていてくれた両親を含めて今更ながら感謝した。


「俺は・・・映の父親にはなれないか?」
「翔、ごめんね」
「そう、あっさりとバッサリと謝られると・・・夢も希望も無いのか?」
「うん、ごめんね」
「陣痛で辛いとき、おむつを取り替えたのも、ミルクをあげたのも
お散歩のお供も、1歳のお誕生日も・・・いっつも傍にいたのに・・・」
「・・・ごめんなさい」
「あ~あ!こ~んなイケメンの俺を振るのは和華子と映だけだぞ?
2人とも見る目無いな!絶対に後悔するぞ!?」
「・・・・・」
「こんなイケメンの俺を振るんだから今以上に幸せになれよ!」
「うん、ありがとう、そうする」

最後は泣き笑いのような表情の幼友達が『トン』と背中を押してくれた。
中学の卒業式以来、彼の潤んだ瞳は見たことがなかった。
それ以来だな・・・とぼんやりと彼を見つめた。
家族以上の友人も前に進ませるために私自身も
幸せにならなければ・・・と強く感じた。
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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