2017 / 09
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Page.82

ヒロちゃんたちが帰ってしまってから小1時間経ってしまった。
逸る気持ちを抑えながら、両親と共にヴァイオリンの先生に挨拶をし私服に着替えた。
父親が「一緒に帰ろう」と頻りに誘うのを
友達が待っているから」と説き伏せて足早に彼が待つロビーに急いだ。
地下1階にある控え室からロビーまで一気に階段を駆け上がった。
体力測定のシャトルランをしたときよりも速いと感じたくらい。


ロビーにはもう誰もいなくて・・・・
出口近くのベンチ座っていた彼は陽が傾きかけた外を眺めていた。
私の気配を感じたのかサッと振り向いた。

「お・・・・お待たせしまた」
「待たせられたよ・・・・」
「あの、ごめんなさい・・・・」
「いや、いいよ・・・・好きな子を待つのは楽しいものだから」
「えっとぉ・・・・あのぉ・・・・」
「どうして困っているの?ふふふ・・・愛子ちゃんは可愛いな~~~♪」
「彰典先輩ったら!!もう!!」
「膨れた顔も可愛いな♪」
「やだ!もうっ!!」
「ごめん、ごめん!もうからかわないよ」
むくれて後ろを向こうとしたとき素早くベンチから立ち上がった先輩に後ろから抱き締められた。
長身の彰典先輩の顎の下より私の身長は満たなくて・・・胸の中にすっぽり納まるようだった。
心臓が口から飛び出しそうになるくらいドキッとした。

「さっきの演奏、北山さん以上に俺のほうが感動した。
音楽で心を震わされることって今まで無かった』
「それほど・・・・?」
「うん、感動したと同時に俺の好きな子が・・・・
あんなに凄い演奏していると誇らしい気持ちにもなった」
「・・・・ありがとうございます。
あの時、演奏している時、彰典先輩を想いながら弾いていました」
「そうなの?嬉しいよ・・・・」
「私も・・・・嬉しいです」

彼の胸の中でゆっくり向かい合わせになって恥ずかしいけれど顔を上げたとき
夕日に照らされた先輩の顔は見たこともない優しい顔をしていた。
私の髪を何度も梳いて顔をジッと見つめていた。
今なら・・・・今なら、言える・・・・そう思った時、言葉が吐いて出た。
「私、彰典先輩のこと大好きです。私の全部を受け止めてくれている先輩が大好き。
来年卒業されるけれど・・・それでも傍にいたいです・・・・」
あまりの恥ずかしさに顔を見ていられなくなって・・・・・。
でも彼は俯くことを許してくれず、一瞬「信じられない!?」という面持ちになったが
自分が見上げるように私を掬い上げるように抱き上げた。
「ありがとう・・・愛子ちゃん、俺も大好きだ・・・・いや、この気持ちは多分、愛している」
「彰典・・・・せん・・・ぱ・・・」
言い終わらないうちに私は彼の腕の中で力強く抱き締められて優しいキスをされた。



私の初恋・・・・。
大事に大事に育んでいこう。
これからも落ち込んだり、壁にぶつかったり・・・・
色々楽しいことばかりじゃないけれどきっと大丈夫。
彼が傍にいてくれたら、私も彼の傍にいたいから・・・・ずっとずっと手を繋いでいく。



             
               
                 -おわりー
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【こんにちは。】
先輩のことを想ってヴァイオリンを弾くなんて、
とても、あま~い音色だったのでしょうか。^^
ヒロちゃんも、愛ちゃんも初恋が実ったのですね、羨ましいな。

この後も描かれるそうですが、
楽しみにしています。
【音色♪】
☆きゅうぞうさん、こんばんは。
『ハ・ツ・コ・イ!?』番外編にお付き合いくださいまして
ありがとうございました。
毎回コメントを残して頂いて
とても励みになりました。

>先輩のことを想ってヴァイオリンを弾くなんて、
とても、あま~い音色だったのでしょうか。

ええ、仰るとおりだと思います。
楽器は、その奏者の感情がモロに
音色に表れますからね。
ウチの長女はエレクトーンを習っていますが
電子音とはいえ、怒っている時はそんな音に聞こえます(苦笑)

シリーズ化(マジで!?)させちゃうかも~~。
また単発的にその後の広子ちゃん&雄輝君、
愛子ちゃん&東野先輩を描いてみますね
<只今構想中なり~~
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紫苑あかね

Author:紫苑あかね
恋する人たちの切ない想いを描いています。

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